羊毛フェルトの孔雀

孔雀

一言でいえば孔雀になりますが、孔雀に火の鳥フェニックスのイメージを重ねた、美しい鳥を羊毛フェルトで作りました。

後ろからのS字の形が、作品の正面となっています。

高さ130センチです。置くスペースを大きく取らないよう、羽は裾広がりではなく、内側に入るように制作しています。奥行きは25センチ以内に抑えました。

想像上の生き物ですので、華やかで神々しいものにするため、絵を描いたり長い間構想を練っていました。

このクジャクは俗世、時空を超越し、天空の高みから人類を見守るイメージで作りました。

私の未来への希望、祈り、ロマンティック心を詰め込んで制作しました。

いざ用意に取り掛かると、行く所行く所、いたる場所でインスピレーションになる素敵なもの、よい材料が目に入って来て驚きました。

上質の本物の孔雀の羽も手に入れることが出来ました。見る角度で緑だったり、ピンク、紫だったりして、とても綺麗です。

孔雀の羽の色は構造色と言うもので、実際に色がついているわけではなく、微細な構造によるマジックで人間には色に見えるそうです。タマムシの色はその仲間。

この流れで制作を始めましたが、途中で私が外国でくるぶしを骨折するアクシデントがありました。

日本の自宅に戻り、しばらく一人で車いす生活。 

何をするにも時間がかかり不便でしたが、ギブスの足の固定さえ保てれば時間はたっぷりです。

この期間、座ったままでできる作業、羽の大量制作ができました。 

ひたすら作る

ツヤやきらめきが欲しかったので、基本の青色のシルクを染めて他の毛に混ぜたり、化学繊維も一部使用しています。 

この種の青~緑の中間の系統のきれいな色、まさしく孔雀色が私の好みの色です。

完成後に、シルバーのラメを少々ポイントで入れています。

後半には色合いやバランスやフォルムを確認するために、立ったり座ったり、付けたり外したり、の繰り返し作業がありましたが、そのころには足は完治していました。

羽部分が重くなると、後ろにひっくり返ってしまいます。

出来るだけ軽量にして、重みが後ろにかからないように工夫し、脚に補強も加え、二本足で自立させています。

見た目よりずっと軽いですよ。

自立可能だったのは、考えて工夫したこともありますが、黄金バランスが偶然に成立していたこともあるような気がします。

重心を取る重りは入れていません。

2019年9月、昨年の今頃に行われた、harada wakana羊毛フェルト教室の作品展に、この作品ともう一点を展示させてもらいました。

あと2年でこの作品は手元から離れます。

それまではうちにおります。

火の鳥、フェニックス、今世界中で流行っている疫病をどうぞ早く収めてくださいよ・・・

2018~2019年

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