羊毛フェルトで着物姿の猫の舞妓さんを作りました。
どんな舞妓さんにしようかなと、猫の種類や柄、眼の色、着物の色柄を、艶やかなものから可愛らしいものまで何パターンか考え、あれこれ想像する時間は楽しいものでした。
猫のお顔で全体と着物の雰囲気が決まるので、web上の猫の画像からチャーミングなモデル猫を探し、その猫さんから舞妓さん姿、着物のイメージへと広げていきました。
ポーズは幸せを呼ぶ招き猫風。
舞妓さんの着物と一般人の振袖とは仕様が少し違います。
また帯も結ばずにダラリと垂らします。
(だらりの帯と言います)
舞妓さんの着物を忠実に再現したつもりです。
桜の木の下で見ると、昔、国語の教科書にあった、三好達治の”甃のうへ(いしのうえ)”の詩がふと思い浮かびました。 うろおぼえですが、
”あはれ花びらながれ をみなごに花びらながれ・・・・”
こういう情景だったのでしょうか。
人間でいえば16歳の可憐な華、
舞妓になったばかりの若さと初々しさにあふれています。
きれいな目でまっすぐ見つめる未来は、
微塵の疑いもなく明るく希望に満ちています。
こういう設定で舞妓さん猫の制作を進めました。
追加
この舞妓さん猫は、2020年第7回 マガジンランド社主催 オンライン手芸&クラフト展で、第2位を受賞することができました。
とても嬉しいです。 ありがとうございました。
結果サイト https://shugeicraft.amebaownd.com/
舞妓さんの姿はちらっと見える襦袢の赤が、若さと可愛さを引き立て、
全体を引き締めているのでしょうね。
舞妓さんは年が若いほど、襦袢の襟元や襦袢の赤い色の分量が多く、着物の色合、柄行が可愛らしいそうです。
猫らしい形はそのまま残しています。
文様は日本の可愛い古典柄ぽいものから選びました。
着物生地は水フェルトで作り、
帯は羊毛フェルト化したものにラメの入ったオーガンジーを2枚重ねました。
舞妓さんが歩いて、だらりの帯が左右にユラユラ揺れる姿は素敵です。
水フェルトの生地に、色とりどりの羊毛で柄を刺繍して厚みが増すと、着物が重く見えるので、軽やかになるように工夫しました。
配色を考えるのも楽しい。
猫はリアルな猫を作るのと同じ過程で作り植毛で仕上げています。
可愛くなれ、可愛くなれと祈りながら。
そして
完成した季節はこの早春。
想像もしなかった世の中の変化の中で、
猫の舞妓さんが部屋に春と光を運んでくれました🌸
ありがとう
2019年~2020年
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