普段は日本から出たり入ったりしていることもあり、私の製作のスピードは早くはありません。
作品はその制作時期の出来事などにリンクした、他の想い出にもつながっているので、どの作品にも思い入れがあります。
その中でもこのゴリラはかなりお気に入りの作品です。
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上のゴリラと下のとの間ぐらいの色が、実際の色です。
黒っぽいので撮り方が難しいです。
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ゴリラは人と同じく霊長類、私が人に近い感情移入をしやすいのかもしれません。
手に持っているゴールドのものはiPhoneです。だから、うちでは”iPhoneゴリラ”と呼んでいます。
iPhoneゴリラは完成直後に海外に移動し、今は某国にいます。
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昔夫がヨーロッパ赴任中、長く彼を見守ってくれた招き猫が、アジア転勤の引っ越しに紛れて行方不明になり、その代りの物を夫の家に置いておきたいと思っていました。
希望を尋ねると、「ゴリラ」との答えでした。
初めはイケメンのゴリラの画像をモデルにしていましたが、もっと野生感のあるゴリラ画像に変更しました。
立派なシルバーバック(成熟したボスのオスに見られる、背のシルバーの毛)は外せない、手には何かを持たせる、と決めて作りました。
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作り込めば込むほど彼は参考にした画像ではなく、なぜか夫に似ていったようです。(注 夫はゴリラ顔ではないけれど)
夫の家に持って行くまでは気がつきませんでしたが、わかっているのに飄々ととぼけている雰囲気が似ています。
背中には何となく哀愁が漂っていて・・・。
(おじさんはみなそんなものです)
私は夫のために ”夫”を作っていたわけです。
夫はApple社製品とスティーブ・ジョブズス氏の大ファンなので、ゴリラの手に持たせるものを考えた時に、自然に”iPhone”となりました。
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野生と文明…的な取り合わせが面白いというのもありましたが。
粘土で小さいiPhoneを作ろうと思う、という私のつぶやきを、羊毛フェルト教室の原田先生が真剣に取り合ってくださいました。
”適当にせずに、金属的な直線や平面のパキッとしたスマホの感じを出したほうが良いですよ”とアドバイスを下さり、結構な長い時間を”iPhone”作りに費やしました。
完成した”iPhone”をゴリラの手に握らせてみて、先生のおっしゃる意味がよくわかりました。
ムキムキっとした筋肉の塊の野生ゴリラと、直線的で無機質な文明”iPhone””の対照的な感じが、互いにいい感じになっていました。
このミニiPhoneの表面が、ヨレヨレに波打っていたら、雰囲気は大分変わっていたことでしょう。
その手間や技術を思うと、人形やフェルト動物の細々した小物まで自分で作っている方々を尊敬します。
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