井上靖さんの小説 ”蒼き狼” からもらったモチーフです
羊毛フェルトで”蒼き狼”を作りました。
本当にいるのかいないのか、そんなあなたに夢で逢えたら
・・・・私のイメージの”蒼き狼””です。
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井上靖さんの、モンゴル帝国を統一したチンギスハーンの生涯を描いた小説、「蒼き狼」からインスピレーションを戴きました。
チンギスハーンが、自分はモンゴルの伝説の「蒼き狼」の末裔だという信念を拠り所にして、闘いの一生を突き進む壮大な歴史小説。
伝説の「蒼き狼」、その言葉の響きは小説から離れて独り歩きして、当時まだミステリアスだった、壮大なモンゴルやシルクロードの大地のイメージと重なり、高校生だった私のロマンをかきたてました。
映画でも小説でも、若い感性で得たものは月日を経てもみずみずしく残ります。
数年前、その”蒼き狼”の姿を、羊毛フェルトで制作することにしました。
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孤高の蒼き狼
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”蒼”色にこだわりました。
青ではなく、紺色からグレーの蒼色のトーン、きれいで神秘的な寒色のグラデーションです。
目はクリアな水色。
毛の白に見える部分にはアイスブルーも入っています。
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野生の狼ですが、人に近い心情で作りました。
この作品は、2017年の吉本興業主催、京都国際映画祭のクリエイターズ・ファクトリーのアート部門の一次審査を通過し、他の12点のアート作品と一緒に京都会場で展示していただきました。
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これはクリエイターズ・ファクトリーの展示審査時のキャプションです。
モンゴルの凍てつく大地に静かに佇む孤高の蒼き狼。 誰も近づけず、歩み寄ることもありません。しかしその蒼き瞳はどこまでも穏やかで澄んでおり、遙か遠くを見つめています。
それは私の周りにもいる誰かにも似ていて、またそばにいてほしいと願う誰かのようでもあります。
蒼き狼は、今私のそばにいます。
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蒼き狼を読んでからウン10年後、私はシルクロードの地を踏みました。
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このコンテストは一次審査通過の結果通知も実際の展示も、私の不在時だったため、子供が代わりに搬入搬出などのすべてをやってくれました。
羊毛フェルトを扱った経験がない娘に、気を遣わせ面倒も掛けましたし、私も遠隔操作では気が気ではありませんでした。
それもよい想い出です。
2016年
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